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嘔吐物の安全な処理方法:健康リスクと効果的な洗浄剤の選び方

嘔吐物の処理は、健康リスクを伴うため、適切な方法と洗浄剤の選択が重要です。本記事では、嘔吐物に含まれる病原性の菌やウイルス、残存期間、感染期間、そして効果的な洗浄剤の使用方法について詳しく解説します。安全対策を徹底し、健康リスクを最小限に抑えるための具体的な手順を紹介します。

嘔吐物に含まれる病原性の菌やウイルス

ノロウイルス
  • 残存期間: 環境中で長期間生存し、特に低温環境(4℃)では40〜50日間も感染力を保つことがあります。
  • 感染期間: 感染から発症までの潜伏期間は24〜48時間で、症状は1〜2日続きます。
  • 発生からの感染事例期間: 感染者が症状を示してから約2週間は感染力が強く、特に嘔吐物や便に含まれるウイルスが感染源となります。
  • 症状: 嘔吐、下痢、腹痛などを引き起こします。特に冬季に多く発生します。
ロタウイルス
  • 残存期間: 環境中で数日から数週間生存することができます。
  • 感染期間: 潜伏期間は1〜3日で、症状は1〜2週間続くことがあります。
  • 発生からの感染事例期間: 感染者が症状を示してから約1週間は感染力が強く、特に嘔吐物や便に含まれるウイルスが感染源となります。
  • 症状: 主に乳幼児に感染し、急性胃腸炎を引き起こします。嘔吐や下痢が主な症状です。
腸管出血性大腸菌(O157など)
  • 残存期間: 数週間から数ヶ月間生存することがあります。
  • 感染期間: 潜伏期間は3〜8日で、症状は1〜2週間続くことがあります。
  • 発生からの感染事例期間: 感染者が症状を示してから約1週間は感染力が強く、特に嘔吐物や便に含まれる菌が感染源となります。
  • 症状: 激しい腹痛や血便を伴うことがあります。
サルモネラ属菌
  • 残存期間: 数週間から数ヶ月間生存することがあります。
  • 感染期間: 潜伏期間は6〜72時間で、症状は4〜7日続くことがあります。
  • 発生からの感染事例期間: 感染者が症状を示してから約1週間は感染力が強く、特に嘔吐物や便に含まれる菌が感染源となります。
  • 症状: 発熱、腹痛、下痢を引き起こします。
カンピロバクター属菌
  • 残存期間: 数週間生存することがあります。
  • 感染期間: 潜伏期間は2〜5日で、症状は1週間程度続くことがあります。
  • 発生からの感染事例期間: 感染者が症状を示してから約1週間は感染力が強く、特に嘔吐物や便に含まれる菌が感染源となります。
  • 症状: 発熱、腹痛、下痢を引き起こします。
セレウス菌
  • 残存期間: 数時間から数日間生存することがあります。
  • 感染期間: 潜伏期間は1〜6時間(嘔吐型)または6〜24時間(下痢型)で、症状は24時間以内に治まることが多いです。
  • 発生からの感染事例期間: 感染者が症状を示してから約1週間は感染力が強く、特に嘔吐物や便に含まれる菌が感染源となります。
  • 症状: 嘔吐型と下痢型の食中毒を引き起こします。特に米飯やスパゲティが原因となることが多いです。

感染症リスク

嘔吐物には上記のような病原菌やウイルスが含まれている可能性があり、これらが空気中に拡散することで感染症を引き起こすリスクがあります。

化学反応のリスク

嘔吐物が酸性であるため、塩素系漂白剤などの強アルカリ性の洗剤と混ざると有毒な塩素ガスが発生することがあります。

安全対策

STEP
適切な保護具の使用

手袋やマスクを着用し、直接嘔吐物に触れないようにすることが重要です。

STEP
換気の徹底

処理中は窓を開けて換気を行い、空気中の病原菌や有毒ガスを外に逃がします。

STEP
適切な洗浄剤の使用

酸性の嘔吐物の処理には、アルカリ性の洗浄剤が効果的です。以下のような洗浄剤が推奨されています

  • アルカリ電解水:アルカリ電解水は、強力な洗浄力と除菌力を持ち、嘔吐物の処理に適しています。酸性の嘔吐物と反応して中和し、効果的に汚れを落とします。
  • 次亜塩素酸ナトリウム:次亜塩素酸ナトリウムは、強力な酸化作用を持ち、除菌効果が高いです。ただし、取り扱いには注意が必要で、適切な濃度で使用することが重要です。
  • 次亜塩素酸水:次亜塩素酸水は、低濃度で高い除菌効果を持ち、安全性が高いとされています。食品添加物としても使用されることがあり、嘔吐物の処理にも適しています。

注意点

  • 換気の徹底: 次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸水を使用する際は、換気を十分に行い、塩素ガスの発生を防ぎます。
  • 保護具の着用: 手袋やマスクを着用し、直接触れないようにします。
  • 適切な濃度の使用: 次亜塩素酸ナトリウムは0.05%(500ppm)以下の濃度で使用することが推奨されています。

処理手順

STEP
初期対応

嘔吐物をペーパータオルや新聞紙で吸収し、密閉できる袋に入れて廃棄します。

STEP
洗浄

汚染部分を中性洗剤で洗浄し、水拭きで仕上げます。素材に応じてアルカリ電解水、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸水も有効です。

STEP
除菌

最後に除菌剤を使用して、病原菌を除去します。